肥満や高血圧など、3つ重なれば病気です。

メタポリック症候群

一つ一つは病気でなくても、三つ合わせると〝立派な病気″それが「メタポリック(代謝異常)症候群」です。

生活習慣病の中でも最近、特に注目されている、「肥満、耐糖能異常(高血糖)、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症、高血圧」このうち三つが重なれば同症候群で、相乗的に動脈硬化を一段と進行させる原因となっています。

病気の一歩手前の境界領域が含まれるので、相当数の該当者がいるとみられているようです。

◇4人に1人は・・・

メタポリック症候群と診断される人は、40歳以上の男性では4人に1人に達するほど増えています。脂肪の多い食事と運動不足という毎日の生活パターンが発症に大きく関与している」と札幌医大の島本和明教授(第二内科)は説明しています。

 同教授らのグループが、北海道東部と南西部のそれぞれの町で薬物治療を受けていない四十歳以上の男性800人余りを対象に健康診断を実施した結果

腹部肥満(腹囲、男性85センチ以上、女性90センチ以上)が42.7%、高中性脂肪血症が34.1%、低HDLコレステロール血症が16.7%、高血圧が59.1%、高血糖が13.5%でした。 

このうち三項目以上が該当し、メタポリック症候群と診断される人が、24.4%に達することが分かりました。

◇2.5倍も高い・・・

 同じ肥満でも、皮下脂肪による肥満ではなく、内臓に脂肪が付く「内臓肥満」は、生活習慣病の要因になっていることが知られています。

 内臓に脂肪が蓄積すると、その脂肪細胞が出す生理活性物質の「アディポネクチン」の分泌の低下などが起こり、血糖値を調節するインスリンに対する抵抗性が高まってしまいます。

そして、このインスリンの抵抗性上をきっかけに、血糖値が高くなる耐糖能異常や血圧上昇、脂質代謝異常が引き起こされるのです。

肥満によるインスリン抵抗性の卜昇を介して高血糖や血圧、高脂血症が次々と連鎖しているのです。

 これまで肥満や高血圧、糖尿病、高脂血症は、それぞれ独立した動脈硬化の危険因子とされてきました。しかしメタポリック症候群では、危険因子が相乗的に動脈硬化を進展させていることを示すデータも出ています。

 島本教授らによる五年間の追跡調査の結果、メタポリック症候群の人は、そうでない人に比べ脳卒中や心筋梗塞など心血管疾患の発症が2.5倍も高いことも明らかになっています。

◇早めの治療を

「このことは、一つ一つの項目は治療するほどでなくても、三つ以上の項目が該当して、同症候群と分かった場合は、早めの治療を開始することが動脈硬化の進展の予防につながることを示しています」

メタポリック症候群の治療法はまず内臓肥満をなくすために運動療法と食事療法が欠かせません。

運動は内臓脂肪の増減によく反映されることが分かっているのです。生活習慣に密接に関係しているので、ライフスタイルを見直して症状の連鎖を断ち切ることが基本です。

島本教授は「最近の研究でインスリン抵抗性の改善に高血圧治療薬のアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)やアンジオテンシンⅡ受容体阻害薬(ARB)が効果のあることが分かり、薬物による治療法の可能性も広がってきた」と期待を寄せています。



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